暖炉の明かり・・・
部屋の中は可成り冷え込んでいた。
季節がいつだったかは、記憶が定かではないので、冷え込んでいたとの思い込みでしか在りませんでしたが、そのほうが都合良い。
真夏に暖炉で薪をくべても雰囲気は、半減する。
部屋はいくつあるのか知れなかったが、中庭を囲むように部屋があるようでした。
暖炉のある部屋に案内され、初めて暖炉とご対面しました。
暖炉なんてものは、私には縁のない映画か、テレビのドラマで見るぐらいが関の山、それから、新聞などで、アメリカの大統領が、他所の偉いさんと相対して会談している写真は、大体暖炉の前と決まっていた。
それ位しかお目に懸かれない代物。暖炉のある床は大理石が敷かれ、そこから赤レンガで積み上げられた暖炉がくちをあけていた。
その上には立派な枕木のような、いかにも値の張った?木が堂々と威張っていた。
ちなみにその木の名前を訊いてみた。「樫」との事、序にその値打ちについても可成り能書きも聞かされた。