炎の舞・・・
私のほかにもう一人、同じ目的の人が待っていました。
岡山から来たらしい、ずっと家の前で待っていたらしい、電車を乗り継いで来たらしい。この人も私と同じく暖炉造りに誘われたらしい。この人は従兄弟の会社で、派遣社 員としてベネゼエラへ派遣されていたらしい。
兎にも角にも暖炉に火を点して見ないことには、評価のし様がありません。
部屋の中で焚火が出来るなんてことは、思いも寄らないことでした。
大理石の床の上に、煉瓦と耐火煉瓦で積まれた門柱の奥に薪を置き、小さく割りばし位に割った木片にマッチで火をつけ、徐々に太い薪に移行していきます。
炎は真っすぐ上っていきます。
パチパチと薪の燃える音が心地よく、其れと共に炎が踊りだす。