就職・・・印刷屋で活字拾い・・・
私が初めて就職したのは、中学校を卒業して、ぶらぶらしていた頃、近所の町内会長(かってテレビを見せてもらっていた)に紹介してもらった、中小の印刷屋でした。
それこそ従業員がニ十人足らずの小さな印刷屋です。
其の頃の印刷と言えば、活字、鉛に刻印した文字、活版印刷の事。
当時は勿論コンピュータなんて、この世に存在したことも知らない頃の事、活字自体工場で手造りしていた位。
見習いの仕事、職人が小さな箱を左手に持ち、右手で正面に無数の間仕切りに詰められた活字を、親指と人差し指で摘まんで、箱に並べていくのを、後ろで見ている。
ただ見ているだけではない、前面のマスの中の活字が無くなった頃を見計らって、活字が出来た保管場に行って適当に補充するのが仕事でした。
ひらがな、片仮名、数字はまだしも、数知れない漢字何かは、到底覚えられなかった。職人に怒鳴られ、叱られつつ、何となく慣れるものでした。
半年もした頃には、箱を持って活字のまえに立って、原稿どうりに拾うことが出きるようになるものでした。
小さな印刷屋だったのが良かったのだと思います。
何もかも進んで覚えなければ、取り残される。
結局、ひとどうり覚えたころに、逃げ出すようにして退職してしまいました。
1年足らずでしたが、当時の仕事が東京に出て、可成り役立ちました。
町内会長には可成り迷惑かけました。