暖炉とは・・・
なんとも胡散臭い話でした。
彼はもともとの話、海千山千の男として身内の間では罷り通っていたので、話半分と聞き流していたのでしたが、能書きを訊いているうち、口車に乗ってしまったか?彼が帰るころには, その気になって居ました。
潜りの運送屋を辞めて、次の仕事を探さなければ、いつまでも遊んでいるわけには行かないのだから。
近い内に東京で逢うことにしました。
彼の家は錦糸町にありました。そこは彼の嫁の実家、私も昔東京の印刷屋?だったかで、少し働いていた事があった頃、一度だけ行ったことがありました。
嫁さんの親父さんは、其れこそ生粋の江戸っ子そのものでした。
兎に角そのうちそこで逢うことになりました。