嫌われじいさんと捨て猫チビ

猫嫌いのじいさんが飼い猫と戯れる日常と読んできた本の感想たまに。

さようならチャチャ

ある日の朝、家の中がなぜかいつもと違って、変な雰囲気に胸騒ぎを覚え目を覚ました。

娘が涙声で、「チャチャが死んだ」

私は息をのみ込んで、言葉もなかった。一瞬何が起こったのかも分からなかった。

仕事をしていても手に付かず、失敗ばかり、その日は半日で終了。

その間に娘が、火葬場へ、丁寧に弔ってもらったらしい。

その日の夕食は、誰もが無口に、チャチャを話題にすることは禁句。

孫も常になく神妙で、言葉を掛けるのも忍びなかった。

話しかければ一気に崩れそうだった。必死に我慢しているようだった。

あれだけ猫嫌いだった私でも、其の頃には、寒い冬の日寝ている私の頭を、肉球でつんつんして、布団の中に入れるよう催促すれば、布団の中に入れてやるまでになって居た。

それから何日かして、ふと、亡くなる日の前日の夜、何時になく私の足元で私を見上げ、ひっこく泣いたのを思い出した。

あの仕草が、私への別れの訴えで無かったのかと、今でも時々そう勝手に・・・

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ありし日のチャチャ