倉庫の仲間たち・・・
倉庫にはその割に小さな事務所があります。
二階は偉いさんの部屋、下が普通の事務所、女性の事務員が三人、倉庫業は地味な商業柄、年増の事務員が多かった。
此処だけではありませんでした。どこも倉庫屋は力仕事が主な業務なのだから、私の居た倉庫も、男の社員が六人、だけ、表の作業員いわゆる日雇人夫が五六人、彼らは毎朝駅近くの所定の場所で、早いもの順で請われて来る日雇の事です。
私の居る倉庫にも常に、大体同じ人夫が通ってきます。
決まっていたほうが、都合がいいのです。
要領が分っているので、下手な事務員より間に合っています。
仕事と言えば、綿糸の俵詰めを担いだり、絨毯を背負ったり、大型テレビの入った木枠を担いだり、可成りの重労働です。
一日の仕事が済めば、その日の一日分の日当を貰って帰っていくのです。
私は彼らに好かれていたと思います。その証拠に、偶に彼らから飲みに誘われることがありました。