暖炉の仕事もなく、毎日ぶらぶらしている私を見かねたのか、専務が会社へ行く序に、遠回りして、迎えに来ては連れ出すことが日課のようになっていました。
そのまま現場へ行ったり、工場に行ったりしていました。
その内、末っ子のネオン工場に興味が湧き、入りびたしでした。
見ているだけで、難しそうでした。其れだけに遣り甲斐も有りそうでした。
第一職人の数が絶対的に少ないとの話に、ますます魅力を感じました。
暖炉職人になろうとしたのも、特殊な仕事に魅力を覚えたのと動機は同じだと思います。確かに普遍な、誰もが出来そうな仕事には、余り興味を示さないのが私の悪い性格だと自分に言い聞かせていました。